【マンション建替え支援】
耐震偽装が発覚し、マンションからの退去を余儀なくされた管理組合から建替えコーディネート業務を受託し、再建建物の企画設計、マンション建替え円滑化法に基づく建替組合の設立・運営、権利変換、除却工事、新築工事などの支援に取り組みました。また、建替組合より、「二度と偽装などがないよう第三者の目でしっかりチェックしてほしい」と工事監理業務を受託しました。
【企画の経緯】
平成17年11月に発覚した姉歯元建築士による構造計算書偽造事件に端を発するマンション建替事業です。建替え前のマンションは、竣工後3年の時点で耐震強度の不足が判明し、区から自主退去勧告が出される事態となりました。住民の皆さんが建替えを支援できる専門家を探す中で、ご縁があり、としまち研でお手伝いをすることとなりました。
【コンセプト】
事件発覚当初はほぼ毎週、多い時は週2回、住民集会や委員会を開いて住民同士の話し合いを重ねました。建設会社探しから始まり、再建後の建物の形状や住戸の位置決めなど、難しい課題も数多くありましたが、全員が戻るということを目標に、住民が一体となって再建計画をまとめました。
【建物の特徴】
建替え前と同じものを再建する考え方もありましたが、様々な家庭事情の中、従前とは同面積を費用負担できない人もいて、合意形成は困難を極めました。そのような中、住戸面積のバリエーションが多い1棟7階建て案が設計者から提案され、なんとか合意に至ることができました。水回り等の制約はあるものの、間取りには各区分所有者の希望を取り入れる設計としました。
【事業期間】
2006年7月~2009年9月
【概要】
- 所在地
- 世田谷区北烏山
- 交通
- 京王線千歳烏山
- 用途
- 住宅32戸
- 構造
- 鉄筋コンクリート造
- 敷地面積
- 2141.41㎡
- 延床面積
- 3752.92㎡
- 住戸面積
- 87.83㎡~128.04㎡
- 共用施設
- 集会所、駐輪場
- 総事業費
- 12.5億円