コーポラティブハウスでは、次のことが実現できます。
入居時には顔見知りという安心・安全の住まいができる
安心・安全は、ご近所に住む人同士が顔見知りか否かが大きな要素となります。その点では、コーポラティブハウスをつくる過程で、総会、理事会、共用部検討委員会、管理検討委員会、植栽委員会、イベント委員会などの会合に参加し、また、懇親会、地鎮祭や上棟祝いその他のイベントがありますので、顔見知りになりますし、家族のことや人となりもわかります。
家族や住む人たちの暮らし方にあわせた自由な設計
建物の基本プランは、その土地の形態や法令などの諸条件に合わせて建築設計者が責任をもって提案しますが、専有部分である住戸内の設計はもちろん、共用部分についてもコーポラティブハウス事業参加者のニーズを踏まえて設計ができます。
専有部分については、法令に違反しない、他の参加者に迷惑をかけない、近隣に迷惑をかけない、工程に影響を及ぼさない、などの制約のもとに自由設計です。全体計画については、設計者が決めます。共用部の使い勝手などについては、組合員が意見や要望を出し合って、設計者が整理し、決定します。
自分たちでつくり、自分たちで管理する
入居後の維持・管理も組合主導で行います。これからの時代は、建物をしっかりと維持・管理し、資産価値も維持する“ストック時代”になってきますので、主体的にかかわれるのはとても大事なことになります。
会合の開催、会計、イベントの実施、大規模修繕の企画・実践などは、建設組合での経験を通じて、管理組合が自らの頭で考え、判断して実施していくことができます。
機械類の保守・管理、清掃や植物の剪定などは、よく話し合って外部の専門業者に委託することになると思いますが、住む人が建物のことをよく知っているかどうかが大事なことですので、建設過程でしっかり勉強しておきたいものです。
また、同じ建物に、地権者の賃貸住宅や店舗・事務所などが併設される場合もあります。賃借人の募集・選定にあたっては、管理規約や使用細則をよく理解してもらい、かつ、管理組合の準組合員として組合活動全般に参加してもらうことを条件にしています。としまち研では、管理組合の自治会的要素をしっかりと規定した管理規約を提案します。
新しく住む人も地域社会にソフトランディングでき、地域社会からも歓迎される
としまち研が多く取り組んでいる地権者参加型=共同建替え型のコーポラティブハウスの場合は、地域社会の一員である地権者の皆さんが橋渡し役となって、コーポラティブハウスの新しい住人も地域社会に自然に溶け込むことができます。地権者参加型でない場合も、工事着手時や上棟、竣工などのタイミングでご近所にあいさつまわりをしたり、近隣の方もお誘いしてイベントを開催するなど意識的に努力することで地域社会の一員となることができ、地域社会からも歓迎されます。
分譲マンションを「買う」ということに比べると自分たちで「つくる」ということは「面倒」なことですが、コーポラティブハウスをつくり、暮らしていく過程で、意識的に努力していくなら、現代にマッチした地域コミュニティを再生でき、子育てにも、お年寄りの暮らしにも、よい影響があるものと考えています。