【企画の経緯】
としまち研の町内で、事情があって売りに出された不動産を知り合いの不動産会社に買い取ってもらい、隣接地の協力を得て、共同建替えとコーポラティブ方式による事業が実現しました。COMS HOUSE、桜ハウスに続き、町内で3棟めのコーポラティブハウスです。
【コンセプト】
「垂直長屋に住む」
かつて、神田のまちは木造の長屋が路地や道路に面して低く連なり、まちの生活の中心となっていました。現在では建物は高層化し、大きなビルで囲まれたまちには生活感が希薄になっています。
今回の計画では、コの字型の敷地形状を活かして、2つの棟と、それらを結ぶ“ブリッジ”で構成し、昔の町並みを垂直方向に起こしたような現代版の長屋をイメージしています。
【建物の特徴】
住戸はブリッジをはさんで1フロアにそれぞれ1住戸なので、隣接する住戸がなく、ほぼ4面開放です。また、各々の住戸は独立性がありながら、向かいの棟の気配も感じられるような関係になっています。窓の位置や大きさは、内部の間取りや空間の使い方により異なり、それが外部にも豊かな表情をもつ建物としてあらわれています。
ブリッジは、お互いの棟を結ぶ廊下と階段で構成し、建物の中の路としての役割をもっています。縦格子のスクリーンによって、外部とやわらかくつながりをもたせています。開口部には植栽を行っています。
【事業期間】
2009年4月~2012年2月
【概要】
- 所在地
- 千代田区神田東松下町
- 交通
- JR・東京メトロ神田駅
- 用途
- 住宅16戸店舗1区画
- 構造
- 鉄筋コンクリート造
- 敷地面積
- 253.35㎡
- 延床面積
- 1432.14㎡
- 住戸面積
- 40.72㎡~81.44㎡
- 共用施設
- 駐輪場
- 総事業費
- 8.1億円
- その他
- 千代田区建築物共同化住宅整備促進事業認定