【企画の経緯】
アトラス駒沢大学の敷地は、借地上に老朽化した木造長屋や未接道敷地が存在し、個別の建替えが難しい場所となっていました。そのような中、底地を購入した株式会社アレンジタウンが、借地人の方々と共同化を進めたいということで、としまち研に相談があり、一緒に取り組むこととなりました。総戸数55戸の比較的大きな建物となりましたが、余剰床については旭化成不動産レジデンスにディベロッパーとして参画してもらうことで話がまとまり、等価交換事業として土地所有者1名、借地権者13名での共同建替えが実現しました。
【コンセプト】
この地区は環状七号線沿道に面し、骨格防災軸として不燃化や交通騒音の緩衝機能、世田谷区の「都市活力と交通の軸」としての役割が求められていた地区でした。計画では、中層不燃建物への建替えと共に、1階は店舗スペースとして従前地権者等が取得し、商業の連続性を維持するよう配慮しました。
また、総合設計制度により容積率の割り増しを受けるとともに、優良建築物整備事業、防災・省エネまちづくり緊急促進事業(先導型経過措置)による補助金を受けるなど、各種制度を活用して、公開空地の整備や緑化、地域の人が利用できる子育て支援トイレ(だれでもトイレ)の設置なども行いました。
【建物の特徴】
環七沿道には歩道状空地、建物南側には広場状空地をそれぞれ設け、歩行者の歩きやすさや周辺地域の環境にも寄与する計画としています。分譲住戸は1LDKから4LDKと多様な間取りとなっており、幅広い世帯層に対応しています。
【事業期間】
2011年7月~2013年1月
【概要】
- 所在地
- 世田谷区野沢四丁目
- 交通
- 東急田園都市線駒沢大学駅
- 用途
- 住宅55戸・店舗2区画
- 構造
- 鉄筋コンクリート造 地下1階・地上14階
- 敷地面積
- 951.08㎡
- 延床面積
- 3,850.41㎡
- 住戸面積
- 30.30㎡~82.27㎡
- 共用施設
- 駐輪場・駐車場、だれでもトイレ
- 総事業費
- 10億円
- その他
- 優良建築物整備事業・防災・省エネまちづくり緊急促進事業(先導型経過措置)認定