東松島市のあおい地区は「オーダーメイドのまちづくり」

2020年6月11日

 おいらのまち前号発行後、新型コロナウィルス感染症拡大による緊急事態宣言が出され、2ヶ月近く経った5月26日には解除となりましたが、以前の日常生活が戻った状態ではありません。

 緊急事態宣言の真っただ中の4 月29 日に、BS キャンパス(放送大学)の災害社会学・コミュニティ論という講座で、関西学院大学の金菱清教授が、東日本大震災の災害復興に関連して2 つの地区を取り上げ、その後半が東松島市のあおい地区の防災集団移転の話でした。

 金菱教授は、復興のまちづくりには「オーダーメイドのまちづくり」と「レディメイドのまちづくり」があり、行政主体で進めるとハード面での対策に集中することになり、被災者の宅地の位置や復興公営住宅の位置決めも「平等」ということで、「公平な抽選方式」になるなど、「レディメイドのまちづくり」になりやすいとの指摘をされました。

 それに対して、あおい地区では「オーダーメイドのまちづくり」が行われたとして、仙石線:東矢本駅の北側一帯の22ha に580 世帯・1,800 人が集団移転をめざす取り組みが紹介されました。
 としまち研は、縁あって2011 年11 月17 日に東松島市役所の復興対策本部を訪問以来、調査団派遣、2012 年1 月5 日の東松島市復興業務支援に関する協定書締結にはじまり、被災者の個別面談、あおい地区のまちづくり整備協議会設立、協議会の事務局として被災者の皆さんの自主的な各種活動支援~宅地・公共施設案の取りまとめ、個別に家を建てる世帯の区画決め、街並みルールの作成、災害公営住宅の住戸位置決め、「新しいまち」の名称決め、会員同士の交流、まちづくり通信の編集・発行等々~をし、協定書締結から3 年3 ケ月、全力で頑張っての「オーダーメイドのまちづくり」でした。
 「三密」自粛の下では、写真のようなワークショップはできませんが、オンラインミーティングも含めて、新たな活動をめざしましょう。

(としまち研理事長 杉山 昇)

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