被災地の意向確認から住む人みんなで考える集団移転へ

2012年5月12日

 としまち研東日本復興支援委員会は、3月に東松島市から業務委託を受けて、4月から6月まで、2月~3月に実施された集団移転に関する意向確認の会場にみえなかった被災者の方々の個別面談を行っています。
 この業務に、既に延べ200名余(4~5名/日)のとしまち研会員の皆さんが参加し、慣れないシェアハウス風の暮らし(宿泊のため、本塩釜で借りているマンションの共同生活)のなかで頑張っていただいています。
 被災者との個別面談では、津波防災区域に指定された地区から集団移転で市の造成する宅地に移転して自分で住宅を建築するか、災害公営住宅に入居を希望するか、それとも集団移転先とは別のところに移転するか、などの意向を伺います。家族5人のうち4人を津波で亡くされた方、ほんの数分の違いで逃げることができた方、津波が家のなかの天井近くまで来たが一晩耐えて助かった方、自宅の2階から屋根に逃げたところ津波の第一波の引き波でもうだめかと覚悟したが第二波で押し戻され助かった方…、それぞれが生死の境目に立ち、1年以上経った今も心の傷が癒えていません。今は決められない、という方もおられます。
 一方、仮設住宅は、“応急”仮設住宅であり、被災者の皆さんは一日も早い恒久住宅への移転を望んでいます。しかし、住宅地の造成には3年から5年かかるといわれており、まだまだ時間がかかりますし、具体的な情報が少ないので、なかなか先の展望がもてない状況にあります。
 としまち研は、共同建替え+コーポラティブ方式などの息の長い事業に、地権者や住む人たちと共に取り組んできた経験を生かし、被災者に寄り添って新しい住まいとまちづくりのお手伝いをしていきたいと考えています。そして、被災者の皆さんが、“少し時間はかかるけど、がんばろう”と思えるような活動を提案していこうと考えています。
 そのためのひとつの手段として、この『おいらのまち』のような被災者の皆さんが知りたい情報が掲載された(仮)「まちづくり通信」をお届けできるような活動を展開していきたいと思います。

おいらのまち 第57号より

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