桜ハウス(千代田区神田東松下町)

【企画の経緯】

 相続のために売りに出されていた土地と、その隣の賃貸事務所を併用した住宅(築40年のRC造4階建、エレベーター無し)の土地を共同化してコーポラティブハウスを建設する事業です。

【コンセプト】

 COMS HOUSEや他地区のコーポラティブハウスの経験や参加者の要望をもとに、一定範囲内での面積ニーズへの対応、組合員主体の共用部の検討、入居後の建物の自主管理の検討など、新たな試みにチャレンジしています。

【建物の特徴】

 約64㎡と約72㎡(1フロアに2戸)を基本タイプとしましたが、募集過程で3世帯からもっと広くしたいという要望があり、戸境壁の位置をずらすことで住戸面積にバラエティができました。これにより、単身の方からファミリー世帯まで多様な家族が事業に参加することとなりました。
 また、道路に面する各住戸のバルコニーにプランターを設置できる場所を設け、緑化を行っています。

【名前の由来】

 江戸時代、この周辺はお玉ヶ池の畔であり、それが別名「桜ヶ池」と呼ばれていたそうです。明治6年、東松下町内に「桜池小学校」(千葉周作道場の玄武館と儒学者・東條一堂の瑤池塾の跡地、千桜小学校の前身)が開校されました。また、千代田区の花が桜であるなど、『桜』が当地にゆかりの深いことから名づけられました。

【エピソード】

 建物の竣工後、組合員やその家族、スタッフの共同作業でバルコニーに植栽を設置しました。快晴の青空のもと、皆さんは汗を流しながら黙々と作業をしていましたが、終わったあとに建物を見上げてみると、「きれいだねー」と嬉しそうに笑顔をこぼしていました。
 また、エントランス前には参加者の皆さんで選んだシマトネリコ・ドウダンツツジが植えられています。
 桜ハウスは、ビルに囲まれたまちのなかで、建物の前を通り交う人々にも潤いとやすらぎをもたらしてくれています。

【事業期間】

2002年8月~2004年4月

【概要】

所在地
千代田区神田東松下町
交通
JR神田駅、東京メトロ神田駅
用途
住宅17戸、事務所1区画
構造
鉄骨鉄筋コンクリート造
敷地面積
234.18㎡
延床面積
1487.68㎡
住戸面積
53.56㎡~119.90㎡(賃貸住戸を除く)
共用施設
駐輪場
総事業費
7.0億円
その他
千代田区建築物共同化住宅整備促進事業認定

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